夜行綺談、いかがでしたでしょうか?
個人的には、物凄く綺麗な着地が出来て満足です。
今に始まった事ではありませんが、月城の書く話のほとんどは、たぶん読者に優しくない、いわゆる自己完結型の話です。
しかも、読み終わった後に後味の悪さに床をばんばん叩けば良いよ、と、半ば本気で思いながら書いています。
しかしながら、今回のこの【夜行綺談】は、それに加えて消化不良感に身悶えてくれたら嬉しいと思います(笑)。
【主観】か【客観】か。あるいは【事実】か【真実】か。
そして誰の【こころ】に寄り添うか。
たぶん事件の真相は永遠に闇の中でしょうね。
大いに矛盾を孕んでいて、もう真偽の程を確認する術も意味もなくて、だけどはっきりさせなくては先に進めなくて。
明けない夜は無いし、暮れない日もありません。
そして、咲けば必ず散り、実を結んで同じサイクルの中で完結する。
幸せなようでいて、どこにも抜け出す道が無い、そんな閉鎖的で、閉鎖的だからこそ倒錯した世界を書きたかったのですが、果たしてそれがどれだけ伝えられたことか…。
でも、出来れば消化不十分な部分は、脳内補完していただけたら嬉しい。
私、本当そういう話多いけれど、たぶんそういうのをしたくない人間だったら、こういう書き方はしないと思うので。
「え?ぜんぜん消化不良じゃなかったよ?」なんていう人がいたら、むしろ私に彼らの真実を教えておくれ、と言いたいです。
きっと、私の中にある消化されたお話も、たくさんある選択肢の一つでしかないと思うので。
【
苦しんでいるという自覚が無いままに苦しめられていたので、次は幸せだという自覚が無いくらい幸せになれることを祈るばかりです。
【夜行綺談】、長らくお付き合いいただいてありがとうございました。