Eyes on Me







Act.XX : Good-bye, Dear My Little Lover...

  





 はい、Eyes on Me、これにて閉幕でございます。
なんとも言えない終焉ですね…(笑)。


思えば、7〜8年前のことです。
病的に美しい、宝石のような眼を持った子供たちが書きたい、綺麗な文章で書きたい、と。
透明度の高い、だからこそ理解されにくい、酷く純粋な狂気で満たされた世界が書きたい、と。
純粋であるがゆえに、人間の本能的な感情がどろどろと剥き出しにされた話が書きたい、と。
あるとき唐突に思いついて、それがこのお話の根源となりました。


では、どうすれば、病的なまでに美しく、透明度の高い、純粋な狂気の世界が書けるのか。
多分、この辺から歪んで行ったのでしょう。
それを、未熟ながらに突き詰めていった結果、私は彼らを苦しめて苦しめて、その血を濁らせて、今にも精神の針が振り切れそうな世界に追い込んで、あるいはとうに針が振り切れた世界で、その代償として、『綺麗な眼』を持った子供たちを生み出すことに成功したのです。
なんとも後味が悪いまま、救いが無いまま終わってしまいましたが、それもまた一つ私の世界。
果たして、何処まで透明度が高くて、純粋な狂気に満ちた世界になったかは、読んでくださった皆様の判断に委ねられるわけですが…。


私個人としては、概ね満足のいく世界を生み出せたと思っています。
だけど、私の変わりにお話の中で子供たちを生み出した『彼』にとっては、それはやっぱり『代償』に過ぎなかったのでしょうね。
彼が本当に欲しかったのは、綺麗なものじゃなくてもよかったのでしょう。
『Good-bye, Dear My Little Lover』というのが、私から彼らへのメッセージだとすれば、『Eyes on Me』というのは、彼から『誰か』へのメッセージですから。


思いついてから、書き上げて、一時はコピー本にまで。
勿論、売りに出したわけではありませんけれどね。
オフラインで、それまで日の目を見ることが無かった『彼ら』の存在を、是非読みたいといってくれた人たちがいたので、形にしたことがありました。
そしてそのあと、二次創作ではじめたサイトに掲載し、そして今回オリジナル小説のサイトを開いて、加筆修正まで、実に足掛け約8年になります。
人生の三分の一近く共にしてきたわけですね。
ただならぬ思い入れがあっても、無理はありません。ということにしておきたい(苦笑)。


5年前、この話をコピー本にしたとき、私は前書きでこう記しました。

『 ゆるゆると狂い始めたこの世界へ、しばしお付き合い下さいませ。 』

そうして始まった世界は、今回加筆修正されてなお、ゆるゆると狂ったまま存在し続けています。
勿論、今後もこの歪みが正されることは無いのでしょう。
彼らの世界はとうに始まっていて、そして終結しているので。
そして私は更に、あとがきではこう記しました。

『 彼らはもう、私の手を離れて動き始めました。 』

 今も昔も、『私』はきっかけに過ぎないのです。
と、そんなことを書いてしまうと、自分がとても現実とお話の区別がつかない危うい思考回路になりそうなのですが、もともと私は自分で書いた話を自分で制御できたためしがないんですね。
筋道を決めているつもりであっても、『彼ら』は常に自分達でそこから外れようとしていたのです。
だから、『彼らはもう、私の手を離れて動き出しました』のです。
読んでくださった皆様の中では、きちんと収まってくださったでしょうか?
私自身、彼らの総てを把握している訳ではないので、その分解り辛いところも多かったと思います。
それでも、読み終わった後で貴方が描いた彼らが貴方の中で動き出していたら嬉しいです。
貴方の中で動き出した彼らを、貴方がその手で終らせてくれるならもっと嬉しいです。


願わくば、彼らが誰かのどこかに残されることを。
誰かが、彼らを覚えていてくれることを。
私は、決して忘れません。
今までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。






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2008/12/12   The End of "Eyes on Me"...


Copyright (C) 2008 Good-bye, Dear My Little Lover Some Rights Reserved.




































































































彼らは私の手を離れて走り始めました

ただし

未来ではなく過去に向かって



彼らにとって必要であり 大切だったのは

未来でもなく 現在でもなく 過去だけでした



だから どうか

彼らが安らかに眠れることを祈って……






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